「決壊」 平野啓一郎

本日の読書:「決壊」平野啓一郎

あまり慣れない文章形態で、読みやすい部分と読みにくい部分があって、読み切るまでに結構時間がかかってしまった。色々と考えさせられるテーマが盛りだくさんだったのだけれども、最後まで救われない感じで、久々に読後、どんより感が漂っている。なぜ、ラストがあそこに落ち着いたのか、もう少し説明があれば、納得できたんだろうけど。


夫が、内緒で、ネット上に心情をつづっているのを見つけてしまった妻の気持ちが書かれている部分があるのだけれど、ずっと自分の中で葛藤があった部分を指摘された気がして、ブログを公開するということを見直すきっかけになった。


今、まさに世の中をにぎわしていることがテーマになっていて、それが問題視される前に小説にしている辺りはすごいと思う。原因を遺伝と環境で進化論的に解釈しているのが面白かったのだけれども、ある部分納得いくところもあったり。


暗い気分になりたい方どうぞ。